会社設立のメリット

会社設立をご検討の方に、会社を設立した場合のメリットをご説明致します。

メリット➀ 儲かるなら会社の方が節税になる

税金の計算には様々な条件が関係するので、単純な比較は難しいですが、一般的に個人に対する所得税の税率と、法人に対する法人税の税率を比較すると、利益が多ければ多いほど、税金は会社のほうが有利になっていく計算構造になっています。例えば個人事業の場合、課税所得が900万円を超えると所得税率は33%であるのに対し、法人税は資本金が1億円以下の中小法人については、所得金額のうち年800万円以下の部分に関しては15%(本則19%)となっており、令和5年度税制改正大綱においても、軽減税率の適用期限が2025年3月末まで延長されることが決まりました。一方で、法人住民税(均等割)については、赤字でも最低でも7万円かかります。

メリット➁ 信用力・イメージ・融資・採用などの点で有利 介護事業の場合は法人格が必須

会社の資本金は1円から設立できるので以前よりも信用度に絶対性はなくなりましたが、それでも個人より会社組織の方が金融機関や世間から信用力は高い傾向にあります。取引先にとっても、個人事業より会社組織の方が安心感があります。また、許認可取得でも介護事業など法人格が絶対条件となっているものもあります。

メリット➂ 事業主も厚生年金に加入できる

会社を設立した場合、事業主も厚生年金に加入することができます。個人事業主の場合は国民年金や国民年金基金やiDecoで老後のための貯蓄をすることになりますが、厚生年金に加入することで年金が上積みされることになります。令和4年4月から施行の年金制度改正法により、以下の改正が行われました。社会保険料の事業者負担が発生するとはいえ、経費になりますし、事業主の老後の生活基盤を強化するためにも、厚生年金に加入できることは法人化する大きなメリットといえます。

(1)適用範囲の拡大(パートでも加入できる従業員の規模が段階的に縮小され、より多くの方が社会保険の被保険者になる)

(2)受給開始時期の選択肢の拡大(繰り下げ受給が70才⇒75才までに延長)

(2)在職定時改定の導入(毎年1回、働きながら追加で納めた厚生年金保険料で、年金額のアップが反映)

(3)60代前半の在職老齢年金制度の支給停止基準の緩和(28万円⇒47万円)